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日本看護研究学会第50回学術集会が開催されました
8月24日(土)から25日(日)、奈良県コンベンションセンターで開催された『日本看護研究学会 第50回学術集会』で、東都大学の岡本佐智子先生たちと「触れるケア」の交流集会を開かせていただきました。
今年は記念すべき50回目の節目という特別な年です。しかも、同じ関西の奈良県での開催ということで、私自身も心待ちにしていました。
今年は「発祥の地から未来を拓く看護研究」というテーマで、オープニングにはマーチングバンドの記念演奏があったり、プロの演奏家によるランチタイムのコンサートがあったり、発表以外にも色々な催しがありました。
思い出深い奈良県コンベンションセンターでの発表
実は、この奈良県コンベンションセンターは、私にとって思い出の場所なんです。2021年、南都銀行が主催するビジネスコンテスト『第7回ナントサクセスロード』で、私たちのタッチングトレーニング機器が奨励賞をいただいた際の会場が、まさにここでした。
そして今回、学会という新しい舞台で、再び同じ場所に立つことができたことに、運命的なものを感じました。あれから3年がたち、さらに進化した機器を、この同じ場所でお披露目する機会を頂けたことに、感慨深い気持ちでいっぱいです。
私たちの交流集会のタイトルは、『根拠に基づく触れるケア ~今だからこそ、求められる看護の技~です。このタイトルに惹かれて参加された方も多くて嬉しかったです!
学会初日の午前中でした。初日ということもあり、果たしてどれだけの方が集まってくださるのか?朝の早い時間帯であったため、やや不安がありました。
私たちの一つ前の交流集会は、XRがテーマでまさに最先端のお話でした。すでにたくさんの方が会場に集まっていて立ち見も出ていました。
私たちの交流集会が始まる時間になると、そんな不安とは裏腹に、多くの方々が会場に足を運んでくださったのです。会場はほぼ満席となりました。
お越しいただいた皆さんは、時折メモを取りながら、真剣に耳を傾けて発表を聴いていらっしゃいました。
コロナを体験して、看護で見直される「触れるケア」
私たちの発表後、他の参加者の皆さんとの意見交換の時間を設けさせていただきました。参加者の皆さんからは、たくさんの貴重なご意見をいただき、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
- 『コロナ禍を経験して、改めて触れることの大切さを実感しました。』
- 『心不全末期の患者さんに触れてやさしさを伝えたいけれど、何かできることがないかと思って参加しました。』
- 『看護の現場で、触れることが減っているように感じます。もっと触れるケアの必要性を知り、伝えていきたいです。』
といったご意見がありました。
コロナが落ち着いた今、改めて看護の現場で触れることの重要性を感じている方が多いことを再確認しました。
心地よいタッチングがトレーニングできるシミュレーター
私の発表の時に、心地よいタッチングが練習できる機器を紹介しました。私が普段しているメディカル・タッチは、触覚を利用した技術です。マッサージのように力をかけなくても皮膚をやさしく撫でるだけで心地よさをもたらすことができます。
私はもともと、20年前から緩和ケア病棟で患者さんにアロマのトリートメントやタッチングを行ってきました。緩和ケア病棟の患者さんには、マッサージのように力をかけて筋肉を刺激することは、身体の負担になりできないことに気が付きました。
そこで注目したのが触覚です。メディカル・タッチは、触覚から脳に心地よい刺激を送り、リラックスを促し不安や緊張を和らげるので、強い力は一切、必要ありません。
ただ、患者さんにやさしく、ソフトに触れると言っても触れる時の力は主観的な感覚なので、個人差があります。この機器を使えば、触れた時の力と心地よいタッチのスピードが簡単に判定できます。
発表が終わってからもたくさんの方が残ってくださって、興味深そうに実際に機器の体験をされていました、
今回の学会で得た学びを、今後の看護ケアにどのように取り入れていくか、さらに考えを深めることができました。今後は、タッチングトレーニング機器を活用しながら、より多くの患者さんに質の高い触れるケアを提供できるように取り組んでいきたいと思います。
そして、交流集会の後に、素敵なご縁を頂き、来年の看護研究学会でも発表を継続することになりました。来年は、私の故郷である石川県での開催です。今年は、元旦に私自身も地震を経験しました。災害と触れるケアについて、発表できたらと思っています。
最後になりましたが、この度の交流集会にご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
触れるケアを通して素敵なご縁を頂けましたことに心から感謝申し上げます。