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メディカル・タッチが大切にしている患者家族支援
大学で看護を学んでいた時に、印象に残った授業が家族看護でした。教科書は、当時の神戸大学の教授、法橋尚宏先生が書かれた『新しい家族看護学』というものでした。
その時に初めて、家族看護学という言葉自体を知りましたが、何となく「私がやりたいことは、これかも知れないな」と授業を受けて感じました。
大きなストレスを抱える患者家族
私の著書、「看護にいかす触れるケア」の第4章でも書きましたが、病気になることで、患者さん本人もそうですが、患者さんをケアするご家族も大きな身体的・精神的ストレスを抱えると言われています。病気の進行や病状の悪化に対する不安や緊張、そして介護に伴う心身の疲労などそのストレスは様々です。
特に認知症の患者さんのケアをするご家族は、今まで普通にできていた日常生活ができなくなることで、手がかかることが多くなり、イライラしたり、夜間の介護で睡眠不足になったりと心身ともに疲れています。
ひきこもり支援の事業所さんとの出会い
どこかでご家族さまのサポートをする機会がないかと探していたところ、尼崎市社会福祉協議会さんからご紹介いただいたのが「あまりす事業部」さんです。スタッフで看護師の藤原さんたちにお話しさせて頂き、こんな素晴らしい活動が尼崎にあったことを知って、是非ともお役に立てたらと思いました。
今月8月の尼崎市の市報でも特集が組まれていますが、あまりす事業部さんは、ひきこもり状態にあるご本人とご家族を対象に、阪神尼崎駅近くのあまりす事務所で「ほっ」とできる「あまりす居場所」を開催しています。
決して人ごとではない、ひきこもり
ひきこもりは、おおむね6か月以上家庭に留まり続けている状態のことを言います。学校や職場での人間関係や離職、疾病など、そのきっかけは様々です。
決して特別なことではなく、国の調査では、15歳から64歳で146万人(推計値)がひきこもりの状態にあると言われています(2022年内閣府調査)。ひきこもりは様々な要因で発生するので、どの家庭でも起こりうることです。
尼崎市では、8月号の市報でも相談窓口が紹介されています。必要とされている人がいたら、ぜひご案内ください。
(参考:市報あまがさき2024年8月号)
あまりす事業部さんが、ひきこもりに関する理解や知識を深めるためのセミナーを開催されます。詳細は、あまりすさんにお問合せしてみてください。
開催日:2024年11月19日14時~16時
場所:小田南生涯学習プラザ
ひきこもりの家族会で、メディカル・タッチ
ひきこもりは、決して家族だけで解決すること、恥ずかしいことではありません。あまりす事業部さんでは、ご家族さまのサポートも大切にされていて、 ご家族同士が安心して話し合う家族会を定期的に開催されています。
6月には私たちも機会をきいただき、ご家族の皆さまにハンドタッチを体験して頂きました。タッチの間はお話も弾み、タッチの後には笑顔が見られていました。ほんの少しでも疲れが取れることで、気持ちにゆとりができたりリセットにつながればと思っています。
家族会に参加して、改めて家族看護の重要性を実感しました。地域社会の一員としてご家族さまを支える活動をこれからも続けていきたいと思っています。活動に興味のある皆さま、私たちと一緒に活動しませんか?