昨年11月、8年ぶりにアメリカ出張に行ってきました。待ちに待った久しぶりのアメリカ訪問ということもあり、心が躍る旅となりました。今回の旅の目的は、8年前にお世話になった看護部長との再会や現地のケア事情を学ぶことでした。
まず飛行機でロサンゼルスまで飛び、そこから看護部長のいるアイダホ州へ向かいました。ロサンゼルスからアイダホまではなんと車で移動!ひたすらフリーウェイを走り続け、2日間かけてアイダホに到着しました。
砂漠を抜けて銀世界へ アメリカ大陸縦断の旅
移動中に目にしたアメリカならではの広大な大地や果てしなく続く空の景色は、何度訪れても心が洗われる思いがします。日本で忙しく生活していると、どうしても目の前のことに意識がいきがちです。しかし、アメリカの果てしなく続く空や大地を目の当たりにすると、なんて自分はちっぽけな存在なのかと感じます。小さなことなんてどうてもいい、それよりも、もっともっとチャレンジできることがあるはず!!と目の前に視野が広がっていく感じがするのです。
北に移動するにつれて砂漠の景色がいつしか雪景色に変わっていきました。
写真では十分にお伝えすることは難しいのですが、途中で見たあたり一面の雪景色は本当に美しかったです。真っ白な大地がどこまでも広がり、空気はピンと張りつめるように冷たく、シーンとした静寂が広がっていました。この景色の中にいると、自分がどれだけ忙しさに追われていたかを思い知らされ、心がふっと軽くなる感覚を覚えました。
念願の看護部長との再会
アイダホに到着して、まず一番に逢いたかったジュディーに連絡。私がホームステイしているお家まで駆けつけてくれました。以前と変わらず、凛とした姿勢でリーダーとしての気品と風格に圧倒されましたが、以前と変わらない温かい笑顔で迎えてくれました。8年の間に、大学を卒業して看護師の資格を取ったこと、タッチングの効果の論文を書いたこと、触れるケアの本を出版したことなどを拙い英語で伝えると、一生懸命に聴いてくれて、自分のことのように喜んでくれました。
タッチングをトレーニングするシミュレーターを会社で開発したことを伝えると「この8年間で、本当に素晴らしい進化を遂げたのね!驚いたわ!」という言葉をいただき、その瞬間、自分の努力が報われた気がしました。この再会は、私にとって自分の成長を再確認する貴重な機会でもありました。
8年ぶりにメディカル・タッチを体験してもらいました
そして、8年ぶりにジュディーにメディカル・タッチを体験してもらいました。「前に受けたこともしっかり覚えてるわよ。こんなに軽いタッチなのに、どうしてこんなに気持ちがいいのかしら?一度、受けると忘れられないわ」「今、アメリカでも看護は殆ど触れなくなってきて、大切なことが忘れ去られている気がするの。タカヨがやっていることは、これからもっと必要になるわ。ぜひともアメリカでも広げてほしい!」と言ってくれました。お世辞でも嬉しいです。
自分自身の歩みを振り返る機会になりました
8年前にアイダホを訪れた時は、私はまだ神戸大学に通う看護学生でした。大学に入ったものの勉強についていくのも必死で、本当に看護師になれるのか、ちゃんと卒業できるのかもわからず、不安でいっぱいでした。
そんな私にとても親切に病院見学の案内をしてくれたり、アメリカの看護について話をしてくれたのがジュディーでした。精神科で勤務していたジュディーは看護の仕事の魅力についても熱く語ってくれました。そして、今回と変わらない、温かい笑顔で私の挑戦を後押ししてくれたのです。
下の写真は約8年前のジュディーと私(病院見学時に様子)
ジュディーと再び会うことができて、思うようにいかないこともあり、今まで幾度となく「もうやめようか」と思ったこともありましたが、諦めずに続けてきて本当に良かったと感じました。
タッチングは決して難しいものではありません。『患者さんが少しでも楽になることがあれば』、『患者さんに心のこもったケアを提供したい』という想いがあれば、誰で身につけることができます。そして、触れることが看護の現場でどれほど大きな力になるかは、私自身の経験が証明しています。
私の大きな目標は触育を世界に広げること、そしてメディカル・タッチで看護の発展に貢献することです。これからも諦めずに、目標に向かって進んでいきたいと思います。
ブログをご覧いただいている皆さんにも、このブログを読んで一歩踏み出す勇気を持っていただけたら嬉しいです。