先日、ホームページを見てご依頼があり、検診を専門にしたクリニックの看護師さんたちに「触れる接遇研修」を行いました。
言葉遣いやお辞儀などの立ち振る舞いの接遇研修はたくさんある中で、同じ看護職がしている接遇研修だからと興味を持って頂きました。
PET検査の際は、薬剤を注射するため、患者さんと距離を取らないといけないこともあります。
そんな状況でも患者さんに安心して検査を受けて頂くための接遇を学びたいとの希望を頂きました。
一般的な企業の接遇は、表情や挨拶、身だしなみなど「接遇の5原則」が求められます。
医療接遇では、この「接遇の5原則」にプラスして『触れる接遇』が 求められます。
医療接遇は人に触れることが前提で成り立っています。そこが医療接遇と企業接遇の大きな違いです。
触れる接遇は、他の業種にはない医療現場独自の接遇です。バイタル サイン測定や清拭など、看護では患者さんに触れなければケアはでき ません。看護師がケアを通して患者さんに触れる行為は、すべて接遇 になるのです。
メディカル・タッチは、患者さんに安楽をもたらす「触れ方」の技術 です。
メディカル・タッチを使って触れると、「丁寧に対応してもらった」 感じて患者さんが安心します。
研修では、特別な時間を取らなくても、普段の業務の中で使うことができるということをお話をさせていただきます。
そして、実際にメディカル・タッチを体験していただきます。
そして看護師の皆さんと「この場面で使えるかも」と具体的にメディカル・タッチを採り入れられる場面を一緒に考えます。
特に閉所恐怖症や狭いところが苦手な方には、MRIやPET検査は非常に 苦痛が伴うため、看護師さんたちは、タッチで苦痛をやわらげることができたらと一生懸命に考えておられました。
患者さんが安心して検査を受けられるようにと細やかな配慮がなされていることを知って素晴らしいなと思いました。
実は何を隠そう、私も狭い所があまり得意ではない方です。実際に検査を受けることになったらどうしよう?と考えたこともありました。
もしも、検査を受けることになったら、看護師さんたちがタッチングをしてくださるとわかって、私自身、検査が受けやすくなりました。
「触れ方、触れる場所、触れる時間を意識するだけで、相手の方の 受け取り方、感じ方が違うことがわかりました。」と参加された看護師さんから感想をいただきました。
触れる接遇は、触れ方をちょっと意識するだけで、看護ですぐに実践できる接遇です。
今回の研修が、検査を受ける患者様の安心に少しでもお役に立てれば幸いです。