【自己紹介】私がアロマセラピストから看護師になった理由

こんにちは、メディカル・タッチ講師で看護師の見谷貴代です。いつもブログをご覧いただき、有難うございます。

「看護におけるタッチング」の投稿は、たくさんの方に読んでいただき、とても嬉しく思っています。今日は、私の自己紹介をさせていただきます。

私のバックグラウンド:アロマセラピストから看護師へ

私は今、関西でメディカル・タッチマシュマロ・タッチというタッチケアを教えるスクールをしています。

私はもともとアロマセラピストとして活動しており、ライフワークとして緩和ケア病棟でボランティアを行っていました。

(写真は、彦根市立病院の緩和ケア病棟でアロマテラピーのボランティアをしている時の様子です。)

人生を大きく変えた、乳がん患者さんとの出会い

今から20年前のことです。

一人の乳がん患者さんとの出会いが私の人生を大きく変えることになりました。

その患者さんは「優しい手だから」といつも私を指名し、タッチングを求めました。いったん自宅療養のため退院した患者さんが、急変して再入院した際も、私のタッチングが彼女の心の支えとなっていたことを感じました。

タッチングがもたらす癒しの力

その患者さんが再入院した日は、私がたまたまボランティアで病棟にいる日でした。

病室に入ると、患者さんはベッドから起き上がり、「触れてほしい」とパンパンに腫れた腕を私の前に差し出しました。そしてタッチングの間中、私の手をしっかりと握っていました。

次第に彼女の体から緊張が徐々に解けていくのがわかり、深い呼吸を繰り返し、やがて眠りに落ちました。それが最期となり、その3日後に彼女は亡くなりました。

 

患者さんが亡くなった後、お母さまからお手紙が届きました。そのお手紙には、娘が心身ともにつらい時期に温かい手に幾度となく癒されたこと、そして闘病の励みになっていたことが書かれていました。

患者さんが私のタッチを心待ちにしていたことを知り、もっと多くの患者さんに触れるケアを届けたいと強く思うようになりました。

この経験が私の人生を大きく変えることになりました。医療の現場ではたとえ患者さんに好評でも、エビデンスとして認められないことにはケアになりません。ボランティアで月に一度しか受けられないケアではなく、看護師が当たり前に触れるケアをできたら、患者さんの辛さを和らげる手立てになるのではないかと考え、私は40歳を過ぎてから神戸大学に入学しました。

新たな挑戦:看護師への道

患者さんとの約束を果たすために看護師に、そして論文発表

看護師になるための道のりは、とても険しかったですが、彼女との約束を果たすため、4年間を駆け抜けました。

そして、卒業論文では「メディカル・タッチの効果の検証」をテーマに研究を行い、その結果を看護技術学会誌に発表しました。

また、「看護にいかす触れるケア」の本も出版しました。

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患者さんの辛さをやわらげ、寄り添うケアを届けたい

現在は、触れることの素晴らしさを多くの人に知っていただくため、『触育』の普及活動を行っています。

メディカル・タッチは、患者さんに寄り添い、心と体を癒す力を持っています。辛さを訴える患者さんに何かできることがないか、という思いは看護師であれば誰しもあるはずです。

私の講座では、実際に臨床で役立つ技術とともに、患者さんに触れて寄り添い辛さを癒すケアの方法をお伝えしています。

看護師の皆さまがメディカル・タッチで、より多くの患者さんに触れるケアを提供できるよう、精一杯のサポートをさせて頂きます。

皆様と講座でお会いできることを楽しみにしております。

 

見谷貴代

 

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見谷 貴代

看護師/アイグレー合同会社副代表 アロマセラピストから看護師になり、緩和ケア病棟や高齢者施設で5,000人の患者にタッチングを実践。病院や高齢者施設、製薬会社、企業などで研修や講演を実施。大学でも非常勤講師として活躍している。